第28回 第一部「東北アパレル産業機器展」出展レポート 第二部「縫製工場様の生産性改善活動レポート有限会社内房スバルソーイングさん編」

≪ アズマ・メールマガジン 第28号 ≫

第一部 「東北アパレル産業機器展」出展レポート

◆2018 第42回東北アパレル産業機器展へ展示し、即売をしました縫製用品で来場者から評判の良かった商品と、同じく展示から作業環境改善に役立つとの 声が多かった商品のご案内をします。

会場:岩手県産業文化センターアピオ
住所:岩手県滝沢市砂込389-20
TEL:019-688-2000  FAX:019-688-2002
会期:2018年6月23日(土)~24日(日)2日間
日時:1日目 6/23(土)

① セレモニー:9時30分~9時55分
② 入 場  :10時00分~17時00分  来場者1,654名
:2日目 6/24(日)
① 入 場  :9時00分~15時00分
② 搬 出  :15時10分~17:30分   来場者558名

弊社 出展ブース 画像

【縫製用品】

■細工はさみ
手袋はさみや皮切りはさみと呼ばれ、細かい加工に使われる鋏です。
布、繊維類を切るのにてきしているので 繊維業や縫製業などの手芸・洋裁用としてお勧めします。
通常、はさみのサイズが小さくなれば持ち手(柄)も小さくなるのですが 細工はさみは、手を入れる輪を8寸(240㎜)の鋏に使われる大きさと同サイズの物を採用しているので持ちやすく疲れません。
又、刃の長さが60㎜と小さく刃先の細かい鋏ですので、小細工用として最適です。
ループ等や硬い部分を、握りはさみ(小はさみ)でのカットは手が疲れますが、細工はさみは疲れず、作業効率が良くなります。

庄三郎メーカーの細工はさみは廃盤となりましたので是非お探しの方はお試し下さい。
刃先だけを使うお仕事に、最適ですよ

■美鈴細工はさみ
地金は極軟鉄、銅は白紙1号の複合銅材を使用しております。

 

■隆之作細工はさみ
高級刃物鋼(安来銅白紙)を使用した打刃物で、切れ味抜群!

今回、東北ミシンショーには展示はしませんでしたが、他にもございます。

■源貞之作細工はさみ

 

■備考
・ラシャ切り鋏を選ぶ時のチェックポイント!
(1)刃のスムーズさ
刃を開閉した時に引っ掛かりがなく、軽くスムーズにシャキシャキッ!と感触のいいものが良いでしょう。
(2)刃先がそろっていること
全体のバランスが良く、刃先がそろっているものを選びます。
(3)握りやすさ
手に持った時のバランスのよいもの、柄の塗装の具合、色ムラ、厚み等が均一になっているか、柄の部分に磨き残しのバリのないもの、手触りが滑らかで、ご自分の手にしっくりと馴染むもの。等をチェックしてみて下さい。
(4)切ってみる
試し切り出来るのであれば実際に手に持ってみて切ってみるのが一番いいと思います。
その時引っ掛かりなくスムースに布を裁つことができるかチェックしましょう。
(5)仕上げの良さ
布や糸を切るのに一番大事な所は刃の裏の研ぎ方です。良い切れ味のハサミは刃の裏が凹面にシャクってあり、研ぎ目が細かく、刃先まで目が揃っていることが大切です。
刃の裏表が良く研げていないと布や糸に引っ掛かってうまく、綺麗に切ることが出来ません。
(6)素材、製法
刃の製法には、付け鋼と全鋼があり、付け鋼の方が耐久性にも優れ、非常に良く切れます。
そして良い刃物鋼(安来鋼など)を使っているかなどを確認してください。

※用途にあったハサミを選ぶのが長持ちの秘訣です。そして自分にぴったりのハサミを見つけて下さい。
ステンレス製のものは鋼製に比べ切れないといいますが、最近のSLDなどを使用したものは、ステンレスでありながら鋼にも負けない素晴らしい切味を誇ります。(サビに強くしかも耐久性抜群です)

■チョキチョキ糸切はさみの吉羽作10.5㎝
価格もお手頃で、ここ数年に展示即売をしておりますが、好評です。
毎年ミシンショー来場の際に、内職屋さんにお渡しをしたいとの事で、
必ず24丁(1箱12丁)をお買い求められるお客様も数多くおります。
刃先を研ぐ事も出来、コストもお安く済みます。

■硬新押え(硬質テフロン押え)
本縫い用のテフロン押えで、他メーカーのテフロンと比較をすれば、硬質なので長持ちをします、勿論テフロンのみの販売も出来ます。

 

【作業環境改善】

■気化式冷風器RFK406

下から水を汲んで上から垂らして、水を気化して冷風を出す仕組みです、喚起、風通しが良い所で使用をします。

50Lタンクに水道水を入れます、
1時間当たり6L程の水が減り、1日8時間使用可能
1日8時間、稼働日数20日で約電気代が800円位で電気代のコスト削減になります。
消臭パックは1ヶ月に1個交換で、初回本体には2個ついております。
水を入れる手間はございますが、水を入れたポリタンクを横に置き継ぎ足しをしているお客様もございます。

1週間に1回タンクを軽く水洗いをして頂ければ、カルキの匂いは減少します。
冷風が出た時点で、周辺の温度がマイナス5℃と成ります。
送風口付近の湿度が80%前後で、加湿効果もあります。

工場内でエアコンの効き目の無い場所、プレス機、アイロン台等、原反置き場の倉庫などの使用、キャスターも付いており移動も出来ますので、作業環境改善として好評です!

3~4年前から販売をしておりまして、今年からモデルチェンジをしました。
・冷風の上下・左右の吹き出し角度が、60度から80度にと広範囲になりました。
・給水方法が便利に!給水が楽になりました。
・オフタイマーが搭載 1・4・8時間自動的に停止します。
メーカー静岡精機では、ここ3年で大手自動車の工場へ1,000台程販売実績済です。
シーズンで生産台数に限りがありまして、毎年7月中旬頃には品切れになります。

今回の展示で、数多くの工場様よりお試しに1台を使用したいとのご依頼がございました。

RKF702 大型気化式冷風機
RKF506 圧倒的な涼感大風量
RKF406 人気のスタンダードクラス
RKF305 涼しさ独り占め
と4タイプがありまして、今回は売れ筋でもあり展示をしました、RKF406をご紹介します。

●交換パーツ
RKF406冷却エレメント
標準小売価格 8,000円(税抜)

●消耗品
消臭パック(2ヶ入)
標準小売価格 2,000円(税抜)

●オプション
収納カバーRFK406用
標準小売価格 4,000円(税抜)

 

■インク&粉チャコ マーカー機も展示いたしました。
多くのお客様からお問い合わせを受けております。
商品の内容は、当メールマガジン第27号<印付けの特性と消し方>をご覧ください。

QRコードを追加しました。
こちらは動画になります。

 

第二部 「縫製工場様の生産性改善活動」レポート

袋縫い・折伏せ縫い・本ケンボロが得意な有限会社内房スバルソーイングさんの生産性改善活動をご紹介いたします。

有限会社内房スバルソーイングさん(以下 スバルさん)は
房総半島南端 千葉県南房総市にあります。
シャツ・ブラウスを主体に縫製しています。

行列ができる海鮮丼がおいしい
道の駅「富楽里とみやま」の近くです。
HP⇒ http://furari.awa.or.jp/

高品質・ハイグレードなリネン(麻)のシャツ・ブラウスを、3㎝21針で綺麗に縫製しているのが、印象的です。

【21針 ケンボロ】

【15針 ケンボロ】

これに満足せず、大阿久社長が生産性向上のために取り組んだのが、厚生労働省の「ものづくりマイスター」制度を使用したスタッフと社内の改革です。
(ものづくりマイスターの Webサイトはこちらです。)

https://www.monozukuri-meister.javada.or.jp/mm/mm/contents/shokai/syokai/index.html
(※1 概略は後述します)

この制度を利用し、”現代の名工” 文化ファッション大学院大学 稲荷田 征名誉教授が実技指導を始めました。
スバルさんは、全スタッフ21名(役員3人含まず)。内訳は、10代1名・20代5名(日本人3+研修生2)・30代の海外研修生6名、ベテランが8名になります。
若手リーダーは、今年5年目を迎える池田 可奈子さんです。
池田さんは、国家技能検定2級(婦人子供服製造)の資格を持っています。
今年は1級にチャレンジします。
サンプル丸縫いを行い、量産の土台を担っています。

ポイント ☛ サンプル縫製時に工程分析にとどまらず、量産につながる方法を考えていますか?

どんなケンボロ(本縫いケンボロ)でも対応できます。

ポイント ☛  得意とする仕様 (例) ケンボロ 見本を3個 作っています。他の仕様、運針数は?、衿は?、カフスは?

若手、熟練がそれぞれ役割分担をしています。

ポイント ☛  まとめ工程を熟練の方がやっています。こだわりを捨てて人員配置を考えてみませんか?

稲荷田先生のスバルさんへの指導で、まずは整理整頓をはじめました。
巻き返しの小さな糸がたくさん重複してあったものなどは処分してスペースを確保しました。
そのスペースに、ミーティングテーブルを設けました。
問題が発生したときに、すぐ担当者が集まって事象発生状況の確認、
改善点を話し合って対応がしやすくなりました。

◆Before 改善前の一部です。

◆After改善後です。

次の取り組みは、意識改革
最初に、改善が成功した暁には出た利益は従業員へ還元することを
大阿久社長が、みなさんに約束しました。

生産の8大原則を学び、指導員、班長資格条件及び役割分担を一覧にして、チェックしています。
機械とハンドの融合技術、科学的根拠に基づく生産システムを構築するための 稲荷田先生”生産の8大原則”

1. 買ってもらえる商品をつくること
2. 良質で評価が高いこと
3. 楽に作れること
4. コストを低く確保されていること
5. 納期を守れること
6. 安全機能性に富んでいること
7. デザインとマッチングしていること
8. 優美性を保ち形崩れしないこと

機械とハンドの融合技術、科学的理論に基づく
生産システムを構築をする。


稲荷田先生の ”技⇔知 (技術と知恵)の世界”

「{技}は人間の生活、営みの中から生まれた。

生活がそこになるから{技}が生まれたので
あって(この逆はない)、いわば生活の必然
として(技)は生まれるべくして生まれた。

この(技)には、{知}が宿るのである。
一つの(技)に対してひとつの{知}を
もたらす。(技)は{知}を生み出し、
生まれた{知}は(ぎ)を生み出す。」

※興味深い内容です。不明な点や詳細はお問合せください。

それぞれの役割と多能工とは何かを宿題に次回まで個人こじんが考えてきます。次回の実技指導でその宿題結果を拝見してきます。

※1 ものづくりマイスター 制度紹介(ホームページから抜粋)
若者のものづくり離れ、技能離れが進み、産業の基礎となる高度な技能を有する技能者の育成が課題となっています。
このような中、厚生労働省では、若年技能者の技能の向上、技能振興機運の醸成等を図ることを目的とした「若年技能者人材育成支援等事業」を平成25年度から開始しました。

この事業は、建設業と製造業が対象で優れた技能と経験を持つ「ものづくりマイスター」が、中小企業や教育訓練機関の若年者に対して実技指導を行い、効果的な技能の継承や後継者の育成を行う事業を柱としています。

グットポイント☟

スバルさんは稲荷田先生と地域貢献として千葉県立館山総合高校の実習指導も行っています。「縫製の仕事」をテーマにしている授業です。
池田さんをみて、スバルさんに若手が入社し続けています。
池田さんの翌年に入社した野村志保さんは、CAD/CAMのオペレーターでしたが、今、班長としてライン(本流流れ)を見ています。
入社3年目の高瀬明日香さんは、衿・袖付け・脇等の縫製担当、また付属(糸等)管理をしています。
今年4月入社の18歳 正木かえでさんも一生懸命、仕事に取り組んでいます。
熟練と若手が技術の伝承を構築していて、持続可能を実現しています。

東京・墨田区「ものつくりフェア」で、ウェディングドレスを若手が製作し、展示しました。

内容につきまして資料請求やご質問等ございましたら、弊社担当者、
または返信にてお気軽にお問い合わせください。

取材協力: 有限会社内房スバルソーイング
代表取締役 大阿久 孝子様
所在地= 千葉県南房総市検儀谷48

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返信くださいますようお願い申し上げます。

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アズマ株式会社
鵜木 隆嘉
Tel 03-3861-7103
URL: http://www.azuma-jpn.com

 

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