第37回 第一部 マーヤ様生産性向上レポート「ピリツキ対策に、アイロンはいせ込みながら」他

≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第37号≫ (第一部)

今回は、千葉県・香取市にある株式会社マーヤ・佐原工場様(以下マーヤ佐原様)の生産性向上の取り組みを取材して参りました。
マーヤ様は、本社工場が東京都足立区に佐原工場が千葉県香取市にある高級婦人服縫製工場です。

菅谷社長が厚生労働省のものづくりマイスター制度(人材育成支援事業)を活用し、”現代の名工” 稲荷田進名誉教授から佐原工場が実技指導を受けています。その実技指導を密着取材いたしました。

佐原工場は、小山田工場長が工場運営・裁断を行い、久保田縫製主任が現場を指導・管理しています。
文化服装学院出身の若い方から中堅、熟練の方とバランスよい10名の現地採用者で行っています。

高級婦人服(プレタポルテ)の製造なので、丁寧にきれいに上がっています。それをもっと速く生産してもきれいにあがるようスピードアップに今、取り組んでいます。
スピードをアップすれば品質が劣るのか、そんな心配がありましたが、稲荷田先生から、生産性がアップすれば、品質も上がる。「加工賃には心配料は含まれていない」と指導の下、”個人が心配する気持ち”の除去を心がけています。

改善の第一歩は、御多分に漏れずに ”整理整頓”から始まりました。
整理整頓されている工場さんですが、まず、稲荷田先生が指摘されたのは、検品台でした。
道具が箱に入って”整理”はされていますが、常に使用する物なのか?
アイロン台でアイロン以外の作業を行っているので、アイロン台はアイロンをするところにすればいいのではないか?
検品台をもっと広くして使えばよいのではないかと助言の下、検品台を整理しました。

具体的な技術面でちょうど、高密度の生地で ”ピリツキ”に悩んでいました。ピリツキ対策のために、ミシン運針数が13針/3cmの指示がメーカーから出されていました。
また、ピリつかないようにと、生地を”引っ張り”気味でアイロンをかけていました。そこに稲荷田先生が、逆のやりかたを実演して、ピリツキを解決しました。運針数は13針から 18針に、アイロンは イセ込みながらかけました。

「引っ張られたものは、もとに戻ろうとする」だから引っ張ってアイロンをかけてはいけないものだったのです。



こちらの動画( ピリつかない Goodな手の使い方)は、 ユーチューブ 限定公開(URL指定)でご覧ください。

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