第2回 「加工条件に適合したミシン糸」

= 加工内容と方法から =

各加工方法から目的を達成するための方法として薬品・洗濯機・温度の関係が深く関わることがわかりました。
図1は加工目的のための方法として中心的に影響する内容(薬品・洗濯機・温度)から加工別に位置づけました。

昨今、行われている加工は複合した加工方法が多く、技術的な進歩から加工別の位置づけが非常に難しくなっています。
図1は一般的な加工内容を基本に表にしてみました。

※表記内容は弊社独自で加工目的と評価を位置付けしました。一般的に評価基準の違いにより異なる場合が有ります。保証するのもでは有りません。ご了承いただきたくお願い申し上げます。

加工内容から各条件にに適合したミシン糸選定を行うことで、加工後に発生する問題を軽減すると考えます。
そこで、加工内容から各ミシン糸の影響と効果をまとめ、加工イメージと加工後の問題を軽減するべく加工別にミシン糸の特徴を纏めてみました。

= 製品加工の注意 =

製品加工の企画が増えている中で注意すべき点は、量産で品質のバラツキを少なくすることです。加工によっては生地が弱くなり問題が発生しやすく、あらかじめ仕上がり状態を想定した設計を行なうことが必要不可欠です。 必要事項としては製品の出来上がりイメージから縫製仕様、資材(芯地)といった仕様選定をすることが最も重要とし、依頼メーカー様は仕上がりイメージを的確に加工業者へ伝えることが最も重要です

◆ 加工状況(枚数、釜、時間、温度)による生地変化が大きいため、サンプルと量産製品に差が応じることがある。
◆ 大量の製品(数百枚)を一度に洗うために、可也の物理的作用を受ける事がある。
◆ 生地劣化し破れやすい。(特にバイオ・ブリーチ)
◆ タンブラー乾燥による生地の収縮やダメージがある。
◆ 加工方法によって付属などに化学変化が起こる場合がある。

※ 必要伝達事項
加工業者へは生地混率と共にミシン糸種別を的確に伝えることが重要で、加工後の事故最も最小限にする手段といえます。

 = ミシン針に付いて =

加工対応のミシン針は素材に合わせた形状を使用することが望ましいです。比較的、加工製品は綿素材(組成)が多いことから、最もミシン針に注意する必要があります。

基本的に綿は素材感が優れています。しかし強度が弱いことからミシン針で地糸にキズを付ける事が多々あります。 縫製後の外観からでは発見しにくいものですが、加工後(洗濯機使用)に素材が揉まれたり擦れたりする事で地糸切れを発覚する事故が後を絶ちません。

ここではポイント針のご紹介をさせていただきますが、一般的にニットやジャージで使用する針として認識していると思います。しかし、前述の理由より発生頻度が高い地糸切れ防止対策として効果が出ています。各種針の中から地糸切れ防止とされるポイント針を、いくつかご紹介させていただきます。

 = 各針形状 =

地糸切れに効果のある各針形状を紹介させていただきます。(図2)

針選定は図2表記のaとbが同等径にする事が基本です。

= 針形状と針先 =

※テーパー=相対する面が対称的に傾斜している円錐状の部分

【終わりに】
加工別にミシン糸やミシン針の特徴を理解することで、加工時に発生する問題を軽減することが目的です。皆様方が企画をする上で、参考にしていただければ幸いです。

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